Merck やPfizer といったbig pharma を訪問したときに実感したのは、これと同じ土俵で相撲を とったら質的、量的に絶対に勝てないなという思いです。創薬リード分子を見つけてその最適化で薬効を上げていくという創薬の王道。本当にこれしかないのか?という悶々とした思いが数年間ずっとありました。
そんな中で山中先生のiPS 細胞の研究を知った時には、目をさめるような思いが しました。創薬にはもう一つのパラダイムがあった!最初はむちゃくちゃでもいいから、「治療」を目標に独自の創薬パラダイムをつくりたい、という考え方から出てきたのがこの領域の問題設定です。
まだ何も形になっていませんし、どうすればよいのかも全く分かりませんが、最初の目標は生物活性分子濃度を周期的に振動させる人工分子システムの構築です。