所属 | 理化学研究所・環境資源科学研究センター | |
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役職 | 上級研究員 | |
連絡先 | ||
HP | https://researchmap.jp/s-yamaguchi/?lang=japanese | |
専門分野 | 有機合成化学、ケモインフォマティクス | |
研究キーワード | 触媒インフォマティクス、データ駆動型触媒設計、触媒的不斉合成 | |
所属学会・研究会 | 日本化学会 |
概要
◆研究課題:
『ハイブリッド触媒開発を加速するデータ駆動型インシリコ分子設計法の構築』
◆研究内容:
人工知能・データサイエンスは有機合成をさらに効率化する可能性があるとして注目されている。有機化学のデータサイエンスとして、反応活性と分子の性質を数値化した記述子との間の回帰分析が古くから研究されており、物理有機化学の重要な一分野となっている。反応の回帰分析により反応機構の知見が得られ、また未知分子の反応性が予測できる。本研究の主題である分子触媒分野でも回帰分析は反応解析手段の一つとして盛んに行われている。機械学習手法を扱うことにより解析の幅も広がっている。今後の分子触媒におけるデータサイエンスの課題の一つとして、データ駆動による直接的かつ効率的な高性能触媒設計法の構築が挙げられる。本研究では分子場解析と呼ばれる、反応にとって重要な3次元分子構造情報の抽出・可視化が可能な回帰手法を軸に、不斉触媒反応を解析対象として研究を展開する。ハイブリッド触媒のデータ駆動型設計法構築を目指す。
研究業績
原著論文
- "Molecular Field Analysis Using Computational-Screening Data in Asymmetric N-Heterocyclic Carbene-Copper Catalysis toward Data-Driven In Silico Catalyst Optimization"
Mukai, M.; Nagao, K.; *Yamaguchi, S.; *Ohmiya, H.
Bull. Chem. Soc. Jpn., 2022, 95, 271-277 - "Modular Access to Spiro-dihydroquinolines via Scandium-Catalyzed Dearomative Annulation of Quinolines with Alkynes"
Lou, S.; Luo, G.; Yamaguchi, S.; An, K.; Nishiura, M.; *Hou, Z.
J. Am. Chem. Soc., 2021, 143, 20462-20471 - "Data-driven catalyst optimization for stereodivergent asymmetric synthesis by iridium/boron hybrid catalysis"
Chen, H.; *Yamaguchi, S.; Morita, Y.; Nakao, H.; Zhai, X.-N.; Shimizu, Y.; *Mitsunuma, H.; *Kanai, M.
Cell Reports Physical Science, 2021年12月6日, (2), 100679 - "Molecular Field Analysis Using Intermediates in Enantio-Determining Steps Can Extract Information for Data-Driven Molecular Design in Asymmetric Catalysis"
*Yamaguchi, S.; Sodeoka, M.
Bull. Chem. Soc. Jpn., 2019年9月11日, 92(10), 2019
著書
- 「第5章 触媒 不斉合成における触媒インフォマティクス」
山口滋
「マテリアルズ・インフォマティクス開発事例最前線」,伊藤聡, エヌ・ティー・エス, 2021年1月
総説・解説
- 「情報学的手法を用いた触媒開発 分子性触媒における分析手法としてのデータ駆動科学」 山口滋, 触媒, 63, 283, 5, 2021年10月10日
- 「分子場解析に基づく不斉触媒反応におけるデータ駆動型分子設計法の構築」 山口滋, 化学工業, 70, 845, 2019年12月1日
国際会議
- International Symposium on Biopolymer Material Informatics
"Molecular field analysis for data-driven catalyst material design", 招待講演
Yamaguchi, S.
2021年11月4日, ZOOM, online
国内学会(会議)
- 日本化学会第102春季年会
"データ駆動型触媒設計にむけたキラルボラート触媒の立体制御機構解析", 口頭発表
上岡 史人、山口 滋、浦口 大輔、大井 貴史
2022年3月, ZOOM - ハイブリッド触媒若手道場オンライン
"ハメット則の拡張としてのデータ駆動型触媒設計法構築", 招待講演
山口滋
2022年2月19日, ZOOM - 理論化学討論会
"酵素反応のエナンチオ選択性向上を目指した理論解析", ポスター発表
右京 陸,山口 滋,佐藤 啓文,東雅大
2021年5月, ZOOM - 日本薬学会第141回年会
"データ駆動型分子設計を利用したイリジウム/ホウ素ハイブリッド触媒系によるカルボン酸α位不斉アリル化反応の最適化 ", 口頭発表
陳 虹宇, 山口 滋, 森田 雄也, 中尾 裕康, 翟 湘寧, 清水 洋平, 三ツ沼 治信, 金井 求
2021年3月, ZOOM - 日本化学会第101春季年会
"データ駆動によるキラルN-ヘテロ環カルベン配位子の設計と不斉銅触媒反応への応用", 口頭発表
向真潔, 長尾一哲, 山口滋, 大宮寛久
2021年3月, ZOOM - CMCリサーチウェビナー
"分子性触媒におけるインフォマティクス", 招待講演
山口滋
2021年2月15日, ZOOM - 名古屋大学GTR次世代講義
"分子性触媒インフォマティクスの基礎", 招待講演
山口滋
2021年1月29日, ZOOM - 「AIと有機合成化学」第4回公開講演会
"分子場解析に基づくデータ駆動型不斉触媒設計法の構築", 招待講演
山口滋
2020年2月3日, 東京 - 第5回理研-北大-産総研-物材機構「触媒インフォマティクス」シンポジウム―知の融合が加速する触媒研究―
"有機合成におけるデータ駆動型分子触媒設計の現状", 招待講演
山口滋
2019年11月12日, 東京 - 凝縮系の理論化学2019
"分子場解析に基づくデータ駆動型不斉触媒設計法の構築", 招待講演
山口滋
2019年3月14日, 沖縄 - 第8回CSJ化学フェスタ
"触媒開発効率化への挑戦:データ科学で触媒設計に挑む", 招待講演
山口滋
2018年10月23日, 東京
メディア報道
- MIT Technology Review Japan
「機械学習と量子化学計算で「不斉触媒」の設計に成功=金沢大」
向 真潔、長尾 一哲、山口 滋、大宮 寛久, 2022年2月23日 - Science
「Versatile allylation」
Chen, H.; Yamaguchi, S.; Morita, Y.; Nakao, H.; Zhai, X.-N.; Shimizu, Y.; Mitsunuma, H.; Kanai, M., 2022
PDF File - 化学工業日報
「計算機上で不斉触媒設計 理研ー金沢大 エナンチオ選択性向上」
向 真潔、長尾 一哲、山口 滋、大宮 寛久, 2022年3月3日 - 日刊工業新聞
「機械学習で不斉触媒設計 金沢大など 精密合成に貢献」
向 真潔、長尾 一哲、山口 滋、大宮 寛久, 2022年2月9日 - 日本経済新聞
「機械学習で触媒設計、東大など、医薬品開発加速。」
Chen, H.; Yamaguchi, S.; Morita, Y.; Nakao, H.; Zhai, X.-N.; Shimizu, Y.; Mitsunuma, H.; Kanai, M., 2022年1月18日 - Chem
「Deriving intuition in catalyst design with machine learning」
Chen, H.; Yamaguchi, S.; Morita, Y.; Nakao, H.; Zhai, X.-N.; Shimizu, Y.; Mitsunuma, H.; Kanai, M., 2022年1月13日 - 化学工業日報
「データ駆動型触媒 開発 東大など 複数異性体作り分け」
Chen, H.; Yamaguchi, S.; Morita, Y.; Nakao, H.; Zhai, X.-N.; Shimizu, Y.; Mitsunuma, H.; Kanai, M., 2021年12月8日 - 日刊工業新聞
「2不斉点持つ化合物 データ駆動 精密に合成 東大・理研」
Chen, H.; Yamaguchi, S.; Morita, Y.; Nakao,H.; Zhai, X.; Shimizu, Y.; Mitsunuma, H.; Kanai, M., 2021年12月7日 - フジサンケイビジネスアイ
「触媒反応におけるデータ駆動型分子設計に成功」
山口滋, 2019年10月17日
PDF File - 化学工業日報
「データ駆動型設計で触媒の不斉収率向上」
山口滋, 2019年10月2日
アウトリーチ
- プレスリリース, 山口 滋、向 真潔、長尾 一哲、大宮 寛久, 計算機上で収集したデータの機械学習による不斉触媒設計 -有機合成 DX 化の基盤技術構築に向けて-, 2022年2月7日, 金沢大学、理化学研究所
- プレスリリース, Chen, H.; Yamaguchi, S.; Morita, Y.; Nakao,H.; Zhai, X.; Shimizu, Y.; Mitsunuma, H.; Kanai, M., 有機合成の難題である複雑な反応の機械学習・データ駆動型触媒設計による制御 有機合成DX化による物質科学の変革に道, 2021年12月6日, 東京大学、理化学研究所、北海道大学
- プレスリリース, 山口滋, 触媒反応におけるデータ駆動型分子設計に成功 -AIによる触媒反応の開発自動化・効率化に向けて-, 2019年9月13日, 理化学研究所